急に呂律が回らない
呂律が回らなくなるのは、緊張しているとき、アルコールを飲んで酔っているとき、急いで話すときといった状況で、舌を上手く動かせなくなって話しづらくなったご経験がある方もいると思います。しかし、普通に生活しているにも関わらず、急に呂律が回らず上手く話せなくなった場合、もしかすると脳の病気が原因である可能性があります。呂律が回らない症状は一時的なもの含め、脳卒中や一過性脳虚血発作（脳卒中の前触れ）であるかもしれません。思い当たる症状があれば、早めに脳神経外科である当院までご連絡ください。
呂律が回らない、喋りにくいのは失語症？構音障害？
「呂律が回らない」、「喋りにくい」のは、失語症や構音障害が原因になっている可能性があります。
失語症
失語症は、思った言葉を話せない、異なる意味の言葉を話してしまうといった障害のことを指します。言語を司る左大脳半球がダメージを受けると起こる症状です。失語症は上手く喋れなくなる以外にも、右半身に麻痺が起こる可能性もあります。
構音障害
構音障害とは、医学的に呂律が回らない状態を指します。言葉をはっきり発音するのが困難のため、上手く話すことができません。原因は唇、舌、のど周辺の筋肉が麻痺してしまうためで、これに伴って嚥下障害が発生するケースもあります。また構音障害は、知的障害、発達の遅れ、聴力障害などによって起こる場合もあります。
構音障害と失語症はどちらも上手く喋れなくなる障害です。失語症は、人の言葉が分からなかったり、思った言葉を話せなくなったりする状態を指します。構音障害は失語症とは違い、相手の言葉を聞いて理解でき、文章の組み立てまでできますが、唇や舌を上手く動かせないので、言葉にするのが難しくなります。
呂律が回らない（構音障害）の原因・引き起こす疾患
脳卒中（脳梗塞・脳出血など）
呂律が回らないのは、脳出血や脳梗塞、くも膜下出血といった脳卒中が原因の場合もあります。脳卒中が起こると、めまいや左右どちらかの手足が動かせなくなる症状が現れる可能性もあります。
一過性脳虚血発作（TIA）
一時的に呂律が回らなくなって、言葉が上手く出てこなくなった場合、一過性脳虚血発作（TIA）である可能性があります。脳の血管が詰まって起こる一過性脳虚血発作（TIA）は、短時間で治まりますが、後に脳卒中を発症する恐れがある病気です。一過性脳虚血発作（TIA）の症状が治まった数日後に脳梗塞が起こることもあるので、症状がすぐ消失してもお早めに当院を受診ください。
神経疾患
神経の病気である多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症（ALS）、重症筋無力症などにより、唇、舌、のどの筋肉が動かしづらくなると、上手く話せなくなる構音障害が起こることがあります。
精神的ストレス
精神的なストレスが過剰にかかると、自律神経の乱れに繋がり、言葉が出なくなる場合があります。
呂律の異常を感じたら早めに当院へご相談ください
呂律の異常は緊張からくる場合もありますが、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった脳卒中が原因になっている可能性もあります。これらは、命の危険が伴うリスクがあるため、早めに治療を開始しないと深刻な後遺症に繋がることもある怖い病気です。
当院では、日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、脊椎脊髄外科学会専門医である知識豊富な院長が、CT検査やMRI検査の結果から正しい診断をいたしますので、安心してご来院ください。